頭痛は日常的によく見られる症状ですが、その種類によって原因や対処法が異なります。後頭神経痛、片頭痛、緊張型頭痛は、代表的な頭痛ですが、それぞれ特徴的な違いがあります。まず、後頭神経痛は、後頭部から頭頂部、耳の後ろにかけて、電気が走るような、あるいは針で刺すような、突発的で鋭い痛みが特徴です。痛みは数秒から数分程度で治まることが多いですが、断続的に繰り返します。頭皮に触れると痛む(アロディニア)こともあります。吐き気や嘔吐、光や音への過敏といった随伴症状は比較的少ないのが特徴です。原因としては、後頭神経が筋肉の緊張や不良姿勢などで刺激されることが挙げられます。一方、片頭痛は、ズキンズキンと脈打つような拍動性の痛みが、頭の片側(時には両側)に数時間から数日間持続します。多くの場合、吐き気や嘔吐を伴い、光や音、匂いに過敏になることがあります。日常生活に支障をきたすほどの強い痛みであることが多く、前兆として視覚異常(閃輝暗点など)が現れることもあります。原因は完全には解明されていませんが、脳血管の拡張や三叉神経の関与などが考えられています。緊張型頭痛は、頭全体が締め付けられるような、あるいは圧迫されるような重く鈍い痛みが持続的に続くのが特徴です。後頭部から首筋、肩にかけての筋肉のこりや張りを伴うことが多く、精神的なストレスや長時間の同じ姿勢などが誘因となります。吐き気や光・音への過敏は通常ありません。このように、痛みの性質、部位、持続時間、随伴症状の有無などで、これらの頭痛はある程度区別することができます。しかし、自己判断は禁物です。特に、いつもと違う頭痛や、急激で激しい頭痛の場合は、他の重大な疾患の可能性も考えられるため、速やかに医療機関を受診し、専門医の診断を受けることが重要です。