子どもが溶連菌感染症にかかり、顔に湿疹が出ている場合、いつから保育園や幼稚園に登園させても良いのか、保護者の方にとっては気になるところでしょう。溶連菌感染症は、学校保健安全法において「条件によっては出席停止の措置が必要と考えられる感染症」の一つとして位置づけられています。登園の目安については、厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」などを参考に、かかりつけの小児科医の指示に従うことが基本となります。一般的に、溶連菌感染症の登園目安は、「適切な抗菌薬による治療開始後二十四時間から四十八時間が経過し、全身状態が良好であること」とされています。つまり、医師から処方された抗菌薬をきちんと服用し始めてから一日から二日が経過し、熱が下がり、喉の痛みなどの主な症状が改善し、普段通り元気に過ごせるようになれば、顔にまだ少し湿疹が残っていたとしても登園は可能と判断されることが多いです。顔の湿疹自体には、麻疹や風疹のような強い感染力はないと考えられています。重要なのは、抗菌薬による治療をしっかりと行い、体内の溶連菌を確実に減少させることです。抗菌薬を服用せずに放置したり、途中でやめてしまったりすると、リウマチ熱や急性糸球体腎炎といった重大な合併症を引き起こすリスクが高まるだけでなく、他の子どもへの感染源となる可能性も残ります。そのため、医師から処方された抗菌薬は、症状が改善した後も必ず指示された期間、最後まで飲み切ることが非常に重要です。登園を再開する際には、保育園や幼稚園に、医師から溶連菌感染症と診断されたこと、適切な治療を開始したこと、そして医師の許可を得て登園することを伝えるようにしましょう。園によっては、登園許可証(治癒証明書)の提出を求められる場合もあるため、事前に確認しておくことが大切です。子どもの体調を最優先に考え、無理のない範囲で集団生活に戻れるように配慮しましょう。