後頭神経痛は、多くの場合、数日から数週間で自然に軽快したり、適切な治療によって改善したりしますが、中には症状が長引いてしまうケースもあります。痛みがなかなか治まらないと、日常生活にも支障をきたし、不安を感じる方も多いでしょう。では、どのような場合に医療機関の受診や再受診を検討すべきなのでしょうか。まず、セルフケア(姿勢の改善、ストレッチ、温めるなど)を試みても、一週間以上痛みが改善しない、あるいは悪化するようであれば、医療機関を受診することをお勧めします。特に、痛みが日常生活に支障をきたすほど強い場合や、夜も眠れないほどの痛みがある場合は、我慢せずに早めに専門医に相談しましょう。すでに医療機関を受診し、治療を受けている場合でも、処方された薬を服用しても痛みが軽減しない、あるいは副作用が強く出てしまうといった場合には、再度医師に相談し、治療法の見直しを検討してもらう必要があります。また、痛みの性質や部位が変化したり、以前にはなかった新たな症状(例えば、手足のしびれや麻痺、ろれつが回らない、めまい、吐き気など)が現れたりした場合も、注意が必要です。これらは、後頭神経痛以外の疾患、あるいは後頭神経痛の原因となっている別の問題が隠れている可能性を示唆しているかもしれません。特に、急激で激しい頭痛や、意識障害を伴うような場合は、くも膜下出血などの緊急性の高い疾患も考えられるため、直ちに救急医療機関を受診してください。後頭神経痛は、原因が特定できれば適切な治療によって改善することが多い疾患です。しかし、痛みが長引く背景には、生活習慣やストレスなど、様々な要因が複雑に絡み合っていることもあります。根気強く治療に取り組むとともに、医師とよくコミュニケーションを取り、不安な点や疑問点を解消していくことが大切です。長引く痛みに一人で悩まず、専門家の力を借りることをためらわないでください。
後頭神経痛長引く場合の受診タイミング