子どもの顔に湿疹が現れた場合、その原因は様々であり、溶連菌感染症もその一つとして考えられます。しかし、他にも似たような顔の湿疹を引き起こす病気があるため、正確な診断のためには医師の診察が不可欠です。溶連菌感染症による顔の湿疹と鑑別すべき代表的な病気をいくつかご紹介します。まず、アトピー性皮膚炎です。乳幼児期から発症することが多く、顔や首、肘や膝のくぼみなどに、かゆみを伴う湿疹が繰り返し現れます。皮膚が乾燥しやすく、カサカサしたり、赤くジクジクしたりすることもあります。次に、りんご病(伝染性紅斑)です。ヒトパルボウイルスB19の感染によって起こり、頬がリンゴのように赤くなるのが特徴的です。その後、手足や体にも網目状のレース様の赤い発疹が現れることがあります。発熱は軽微か、ないことも多いです。手足口病も、夏場を中心に流行するウイルス感染症で、その名の通り、手のひら、足の裏、口の中に水疱性の発疹が現れます。顔やお尻に発疹が出ることもあります。発熱を伴うこともあります。麻疹(はしか)は、高熱、咳、鼻水、目の充血といったカタル症状の後に、顔から全身に赤い発疹が広がる重篤な感染症です。感染力が非常に強く、予防接種が重要です。風疹(三日ばしか)も、発熱と同時に顔や首から全身に細かい淡紅色の発疹が広がり、耳の後ろや首のリンパ節が腫れるのが特徴です。その他、食物アレルギーや薬物アレルギー、あせも、虫刺され、とびひ(伝染性膿痂疹)なども、顔に湿疹を引き起こす可能性があります。これらの病気は、それぞれ発疹の性状や分布、他の随伴症状、感染力、治療法などが異なります。特に、溶連菌感染症は抗菌薬による適切な治療が必要であり、合併症予防の観点からも早期診断が重要です。顔の湿疹に気づいたら、自己判断せずに速やかに小児科を受診し、医師の診察と指示を受けるようにしましょう。
溶連菌が原因?顔の湿疹と鑑別すべき病気