エアコンの使用がきっかけで発熱し、その症状がなかなか改善しない場合、不安を感じる方も多いでしょう。単なる「エアコン風邪」だと軽く考えていると、実は別の原因が隠れていたり、症状が悪化したりする可能性もあります。エアコンが原因と思われる発熱が長引く場合に考えられることと、その対処法について知っておきましょう。まず、一般的な風邪であれば、通常は数日から一週間程度で解熱し、症状も改善に向かいます。しかし、発熱が一週間以上続く、あるいは一度下がった熱が再びぶり返すといった場合は、注意が必要です。考えられる可能性の一つとして、二次的な細菌感染があります。エアコンによる自律神経の乱れや体の冷えで免疫力が低下していると、ウイルス感染に続いて細菌感染(例えば、細菌性肺炎や副鼻腔炎、中耳炎など)を合併しやすく、症状が長引いたり悪化したりすることがあります。この場合は、抗菌薬による治療が必要となるため、医療機関の受診が不可欠です。また、エアコンのフィルター汚れが原因で、夏型過敏性肺炎を発症している可能性も考慮しなければなりません。これは、エアコン内部で繁殖したカビ(トリコスポロンなど)を吸い込むことによって起こるアレルギー性の肺炎で、乾いた咳、息切れ、発熱といった症状が特徴です。エアコンを使用している時に症状が悪化し、使用を止めると改善する傾向があれば、この病気を疑います。診断には胸部X線検査や血液検査などが必要で、治療としては原因となるカビの除去と、場合によってはステロイド剤の使用が行われます。その他にも、発熱が長引く原因として、他の感染症(例えば、マイコプラズマ肺炎や結核など)や、膠原病、悪性腫瘍といった病気が隠れている可能性もゼロではありません。特に、高熱が続く、呼吸困難がある、体重が減少する、リンパ節が腫れるといった症状がある場合は、速やかに医療機関を受診し、精密な検査を受ける必要があります。自己判断で様子を見続けるのではなく、症状が長引く場合は必ず医師に相談しましょう。
エアコンが原因の発熱症状が長引く時