子どもが溶連菌感染症と診断され、顔に湿疹が出ている場合、適切な治療と家庭でのケアが重要になります。溶連菌感染症の治療の基本は、抗菌薬(抗生物質)の内服です。医師から処方された抗菌薬を、指示された用法・用量を守り、必ず最後まで飲み切ることが最も大切です。症状が改善したからといって自己判断で中断してしまうと、菌が完全に死滅せずに再発したり、リウマチ熱や急性糸球体腎炎といった重大な合併症を引き起こしたりするリスクが高まります。通常、ペニシリン系の抗菌薬が第一選択薬として用いられますが、アレルギーがある場合は他の系統の抗菌薬が選択されます。抗菌薬の服用を開始すると、通常は一日から二日程度で熱が下がり、喉の痛みや発疹などの症状も改善に向かいます。顔の湿疹自体に対する特別な塗り薬などは、通常は必要ありません。発疹は抗菌薬による治療が進むにつれて自然に消えていきます。ただし、かゆみが強い場合は、医師に相談してかゆみ止めの内服薬や塗り薬を処方してもらうこともあります。ホームケアとしては、まず安静と休養を心がけましょう。高熱が出ている間はもちろん、熱が下がった後も、体力が回復するまでは無理をさせず、家でゆっくりと過ごさせることが大切です。水分補給も重要です。発熱や喉の痛みで食欲がない場合でも、水分はこまめに与え、脱水症状を防ぎましょう。食事は、喉に刺激の少ない、柔らかく消化の良いものを選びましょう。お粥やうどん、ゼリー、プリン、アイスクリームなどがおすすめです。皮膚のケアとしては、入浴は熱がなければ問題ありませんが、長湯は避け、石鹸をよく泡立てて優しく洗い、清潔を保ちましょう。発疹が出ている間は、肌への刺激を避けるため、爪を短く切り、掻きむしらないように注意します。これらの治療とホームケアを適切に行うことで、子どもはスムーズに回復し、合併症のリスクを最小限に抑えることができます。不明な点や心配なことがあれば、遠慮せずに医師や看護師に相談しましょう。