後頭神経痛は、大人だけでなく、子どもにも起こり得る神経痛の一種です。しかし、子どもは自分の症状をうまく言葉で表現できなかったり、痛みの原因が大人とは異なる場合があったりするため、注意が必要です。子どもが頭の後ろや耳の後ろあたりを痛がったり、特定の方向を向くのを嫌がったり、頭を触られるのを嫌がったりするような仕草が見られたら、後頭神経痛の可能性も考慮に入れる必要があります。子どもの後頭神経痛の原因としては、大人と同様に、不良姿勢(例えば、長時間のゲームやスマートフォン操作、勉強中の姿勢の悪さなど)による首や肩の筋肉の緊張、精神的なストレス、睡眠不足などが考えられます。また、スポーツや遊びの中での軽い外傷(頭をぶつけるなど)がきっかけとなることもあります。稀ではありますが、感染症や炎症、あるいは何らかの器質的な問題が原因となることもあります。子どもが後頭神経痛を疑うような症状を訴えた場合、まず受診を検討すべき診療科は小児科です。小児科医は、子どもの成長発達全般を理解しており、後頭神経痛だけでなく、他の小児特有の疾患(例えば、片頭痛や起立性調節障害に伴う頭痛、感染症による頭痛など)との鑑別も含めて総合的に診察してくれます。症状や診察所見から、より専門的な検査や治療が必要と判断された場合には、小児神経科や、場合によっては整形外科、脳神経外科などを紹介されることもあります。大人の後頭神経痛でよく受診される神経内科やペインクリニックは、小児を専門としていない場合もあるため、まずは小児科で相談するのが一般的です。診察の際には、いつから、どのような痛みがあるのか、痛みの頻度や持続時間、痛みを誘発するような状況はあるか、他に気になる症状はないかなどを、できるだけ詳しく医師に伝えることが大切です。子どもの訴えを注意深く聞き、普段の様子との違いを観察することが、早期発見と適切な対応に繋がります。
子どもにも起こる?後頭神経痛と診療科