私がある日の午後、パソコン作業をしていた時のことです。突然、視界の真ん中あたりに小さなキラキラとした光の点が見え始めました。最初は目の錯覚かと思いましたが、その光は徐々に大きくなり、ギザギザとした歯車のような形に変わっていきました。まるで万華鏡を覗いているような、不思議な光景でした。その光の輪はゆっくりと視野の端の方へ移動していき、三十分ほどで完全に消えました。そして、その直後から、ズキンズキンと脈打つような激しい頭痛が右のこめかみを中心に始まったのです。吐き気もひどく、光や音が普段よりもずっと眩しく、うるさく感じました。これが、私の初めての閃輝暗点と片頭痛の体験でした。あまりの症状に驚き、翌日すぐに神経内科を受診しました。医師からは、典型的な前兆のある片頭痛であると診断され、閃輝暗点が出たらすぐに服用するトリプタン製剤という片頭痛治療薬と、予防薬を処方されました。それ以来、何度か閃輝暗点を経験しましたが、医師の指示通り、光が見え始めたらすぐに暗い静かな場所で休み、処方された薬を服用することで、頭痛の程度を以前より軽く抑えることができるようになりました。また、私の場合、寝不足や強いストレスが閃輝暗点の誘因になることが多いと感じています。そのため、日頃から十分な睡眠時間を確保し、リラックスできる時間を作るように心がけています。コーヒーの飲みすぎも良くないようなので、量を控えるようにしています。閃輝暗点は、初めて経験すると本当に不安になりますが、片頭痛の前兆であることを理解し、適切な対処法を知っていれば、パニックにならずに済みます。もし閃輝暗点のような症状が現れたら、自己判断せずに専門医に相談し、自分に合った治療法や対処法を見つけることが大切だと実感しています。