子どもの一日のトイレの回数は、年齢や発達段階、そしてその日の水分摂取量や活動量によって大きく異なります。大人のように一律の「正常範囲」を定めるのは難しいですが、年齢ごとのおおよその目安を知っておくことは、子どもの健康状態を把握する上で役立ちます。まず、新生児期から乳児期(0歳~1歳頃)は、膀胱の容量が非常に小さく、また尿を濃縮する能力も未熟なため、一日の排尿回数は十数回から二十回以上と非常に多いのが特徴です。おむつが頻繁に濡れるのは自然なことです。幼児期前期(1歳~3歳頃)になると、少しずつ膀胱に尿を溜められるようになり、排尿間隔も長くなってきます。トイレトレーニングを始める時期でもあり、個人差は大きいですが、一日の排尿回数は十回前後くらいに落ち着いてくることが多いでしょう。幼児期後期(3歳~6歳頃)になると、さらに膀胱の機能が発達し、尿意を感じてから我慢する力もついてきます。一日の排尿回数は、五回から八回程度と、大人に近い回数になってくるのが一般的です。学童期(6歳~)以降は、ほぼ大人と同様の排尿パターンとなり、一日の回数は四回から七回程度が目安となります。ただし、これらはあくまで一般的な目安であり、子どもは大人以上に水分摂取量や活動量、精神的な状態(緊張や興奮など)によってトイレの回数が変動しやすいことを理解しておく必要があります。例えば、暑い日にたくさん遊んで汗をかいた日は、トイレの回数が減るかもしれませんし、逆に寒い日や、何か新しい環境で緊張している時は、トイレが近くなることもあります。重要なのは、回数そのものよりも、普段と比べて急激な変化がないか、排尿時に痛がったり、嫌がったりしていないか、尿の色や量に異常がないかといった点です。もし、普段よりも極端にトイレの回数が多い、あるいは少ない状態が続く場合や、他に気になる症状(発熱、腹痛、機嫌が悪いなど)が見られる場合は、小児科を受診して相談するようにしましょう。
子どものトイレの回数、年齢別の目安は?