肋間神経痛の痛みに悩む方の中には、その原因が帯状疱疹であるケースも少なくありません。「病院に行くべきか?」と迷う判断基準の一つとして、帯状疱疹の可能性を認識しておくことが重要です。私自身も、肋間神経痛の症状が出た際、医師から帯状疱疹の可能性についても説明を受けました。帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる病気で、子どもの頃にかかった水ぼうそうのウイルスが、神経節に潜伏していて、免疫力が低下したときに再活性化して発症します。このウイルスが神経を攻撃することで、激しい痛みを引き起こし、その痛みが肋骨の間に沿って現れると、肋間神経痛と区別がつきにくいことがあります。帯状疱疹が原因の肋間神経痛の特徴として、まず痛みが生じ、数日後に痛む部位の皮膚に赤い発疹や水ぶくれが現れることが多いです。発疹は体の片側に帯状に現れるのが特徴的です。痛みはチクチク、ピリピリとした神経痛様の痛みで、焼けるような、電気が走るような、と表現されることもあります。もし、肋間神経痛のような痛みに加えて、皮膚に発疹や水ぶくれが見られた場合は、非常に高い確率で帯状疱疹である可能性があります。この場合、早めに病院を受診することが極めて重要です。帯状疱疹の治療は、抗ウイルス薬の服用が中心となりますが、発症後72時間以内に服用を開始することで、ウイルスの増殖を抑え、症状の重症化や痛みの慢性化を防ぐ効果が期待できます。治療が遅れると、「帯状疱疹後神経痛」という、発疹が治った後も痛みが長期にわたって残る状態に移行するリスクが高まります。これは非常に厄介な痛みであり、日常生活に大きな影響を及ぼします。そのため、肋間神経痛のような痛みに加え、皮膚症状が見られる場合は、迷わず皮膚科や内科を受診し、適切な診断と早期治療を受けるようにしましょう。