突然、目の前にギザギザとした光が見え始め、それが徐々に広がっていく。あるいは、視野の一部がキラキラと光って見えにくくなる。このような症状は「閃輝暗点(せんきあんてん)」と呼ばれ、多くは片頭痛の前兆として現れます。しかし、初めて経験すると非常に驚き、不安になることでしょう。では、この閃輝暗点の症状が現れた場合、まずどの診療科を受診すればよいのでしょうか。最も適切な相談先は、神経内科です。神経内科は、脳、脊髄、末梢神経、筋肉の病気を専門とする診療科であり、片頭痛を含む頭痛の診断と治療において中心的な役割を担います。医師は、閃輝暗点の症状の詳しい聞き取り(どのような光が見えたか、どのくらいの時間続いたか、その後頭痛はあったかなど)や、神経学的診察を通じて、片頭痛の前兆としての閃輝暗点であるかどうかを判断します。また、他の重大な疾患(例えば、脳梗塞や脳腫瘍、網膜剥離など)の可能性がないかどうかも鑑別してくれます。特に、閃輝暗点の症状が典型的でない場合や、これまでに経験したことのないような症状、あるいは頭痛を伴わない閃輝暗点が続く場合などは、より慎重な診断が必要となります。眼科も選択肢の一つとして考えられます。閃輝暗点は視覚に関わる症状であるため、目の病気が原因ではないかと心配になる方も多いでしょう。実際に、網膜の病気や視神経の異常などが、閃輝暗点と似たような光視症(実際にはない光が見える症状)を引き起こすこともあります。そのため、目の症状が主である場合や、視力低下、視野狭窄といった他の眼科的な症状を伴う場合は、まず眼科を受診して目の精密検査を受けるのも良いでしょう。眼科で異常が見つからなければ、神経内科を紹介されることもあります。かかりつけの内科医にまず相談し、症状に応じて適切な専門科を紹介してもらうという方法も考えられます。大切なのは、自己判断せずに、専門医の診断を仰ぐことです。
閃輝暗点が出たらまず何科を受診すべき?