子どもは活発に動き回るため、転んだりぶつかったりして打撲をすることは日常茶飯事です。多くは軽傷で済みますが、時には医療機関の受診が必要な場合もあります。子どもが打撲をした際、保護者の方は何科に連れて行くべきか迷うかもしれません。まず、打撲した部位や症状の程度によって、受診すべき診療科が異なります。手足や体の打撲で、痛みが強い、腫れがひどい、明らかに骨が変形している、歩けない、あるいは関節が動かせないといった症状が見られる場合は、整形外科を受診するのが適切です。整形外科では、骨折や脱臼、靭帯損傷などがないかをレントゲン検査などで確認し、必要な治療を行います。特に、成長期の子どもの骨はまだ柔らかく、大人とは異なる特殊な骨折(若木骨折や骨端線損傷など)を起こしやすいという特徴があるため、専門医の診察が重要です。一方、頭を強く打った場合は、脳神経外科の受診を検討する必要があります。打撲直後に意識がない、けいれんを起こした、嘔吐を繰り返す、頭痛がひどい、ぼーっとしている、普段と様子が違うといった場合は、頭蓋内に出血や損傷が起きている可能性があり、緊急の対応が必要です。ただし、これらの症状がなくても、高いところから落ちた、硬いものに強く頭をぶつけたといった場合は、念のため受診を検討しましょう。腹部や胸部を強く打撲した場合も注意が必要です。内臓損傷の可能性も考えられるため、腹痛が強い、お腹が張っている、呼吸が苦しそう、血尿が出るといった症状があれば、小児外科や救急外来を受診してください。打撲の程度が軽く、上記のような重篤な症状が見られない場合は、まずはかかりつけの小児科に相談するというのも一つの方法です。小児科医は、子どもの全身状態を把握し、必要に応じて適切な専門科を紹介してくれます。子どもは自分の症状をうまく伝えられないことも多いため、保護者の方が普段の様子との違いを注意深く観察し、少しでも心配な点があれば医療機関を受診するようにしましょう。
子どもの打撲は何科に連れて行くべきか