健康診断などで「境界型糖尿病ですね」と医師から告げられたら、多くの方が不安を感じたり、これからの生活がどう変わるのだろうと考えたりするでしょう。境界型糖尿病は、まだ本格的な糖尿病ではありませんが、生活習慣を見直す良い機会と捉えることが大切です。では、具体的にどのような変化が求められるのでしょうか。まず、最も大きな変化は、食事と運動に対する意識と行動です。これまでは特に気にしていなかった食事の内容や量、間食の習慣などを見直し、バランスの取れた食事を適切な量だけ摂るように心がける必要があります。具体的には、野菜を多く摂り、脂っこいものや甘いものを控え、よく噛んでゆっくり食べるといった工夫が求められます。外食やコンビニ食が多い方は、メニュー選びにも注意が必要になるでしょう。運動に関しても、これまで運動習慣がなかった方は、日常生活の中に運動を取り入れる努力が必要になります。エレベーターではなく階段を使う、一駅分歩くといった小さなことから始め、ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動を定期的に行うことが推奨されます。これらの食事療法と運動療法は、医師や管理栄養士、健康運動指導士などの専門家のアドバイスを受けながら、無理なく継続できる計画を立てることが重要です。また、喫煙している方は禁煙が強く勧められます。喫煙はインスリンの働きを悪くし、動脈硬化を促進するため、境界型糖尿病の方にとっては大きなリスクとなります。アルコールの摂取も適量を守ることが大切です。ストレス管理や十分な睡眠も、血糖コントロールには欠かせません。日常生活の中で、リラックスできる時間を見つけたり、質の高い睡眠を確保したりする工夫も必要になるでしょう。そして、定期的な医療機関の受診も生活の一部となります。血糖値やHbA1cの経過を定期的にチェックし、医師の指導を受けながら、生活習慣改善の効果を確認していくことになります。このように、境界型糖尿病と診断されると、日々の生活習慣全般に対する意識改革と、それを実践していく努力が求められます。しかし、これらは決して我慢や苦痛だけを伴うものではなく、より健康的な生活を手に入れるためのポジティブな変化と捉えることができるはずです。
境界型糖尿病と診断されたら生活はどう変わる?