水疱瘡の強いかゆみは、日中だけでなく夜間にも容赦なく襲ってきます。特に夜は、周囲が静かになり、かゆみに意識が集中しやすいため、なかなか寝付けなかったり、夜中に何度も目が覚めてしまったりと、睡眠不足に陥りやすいものです。睡眠不足は、体力の回復を遅らせるだけでなく、精神的なストレスも増大させ、かゆみをさらに悪化させるという悪循環にも繋がりかねません。このつらい夜間のかゆみを少しでも和らげ、できるだけ質の高い睡眠を確保するためには、いくつかの工夫が役立ちます。まず、就寝前のケアが重要です。ぬるめのお湯でシャワーを浴びて体を清潔にし、汗や汚れを洗い流しましょう。入浴後は、医師から処方されたかゆみ止めの塗り薬を丁寧に塗布します。この時、保湿剤も併用すると、皮膚の乾燥を防ぎ、かゆみの軽減に繋がります。寝室の環境も整えましょう。室温は涼しすぎず、暑すぎない快適な温度(一般的に20~25℃程度)に設定し、湿度も50~60%程度に保つと良いでしょう。空気が乾燥していると、皮膚も乾燥しやすくなり、かゆみが増すことがあります。加湿器などを活用しましょう。寝具は、肌触りが良く、吸湿性・通気性に優れた綿素材のものを選びます。シーツやパジャマはこまめに洗濯し、清潔な状態を保ちましょう。また、就寝前に抗ヒスタミン薬の内服薬(医師から処方された場合)を服用するのも、夜間のかゆみを抑えるのに効果的です。ただし、眠気を催すタイプの薬もあるため、翌朝の活動に影響が出ないように注意が必要です。もし、かゆみでどうしても眠れない場合は、一時的に患部を冷たいタオルなどで冷やしてみるのも良いでしょう。ただし、冷やしすぎは禁物です。そして、日中に適度な活動をすることも、夜の睡眠の質を高めるのに役立ちます。ただし、発熱時や体調が悪い時は無理をせず、安静を心がけましょう。これらの工夫を試みても、睡眠不足が続くようであれば、遠慮なく医師に相談し、追加の対策についてアドバイスをもらうようにしてください。