溶連菌感染後に手の皮がむけてきた場合、慌てて過剰な治療や特別な対策を講じる必要はないことがほとんどである。この症状は身体が回復に向かっている過程の生理的な現象だからである。しかし、皮がむけている間の皮膚は、バリア機能が著しく低下しており、外部からの刺激に対して非常に脆弱な状態にある。そのため、日常的な皮膚ケアにおいては細心の注意が必要となる。まず、最も重要なのは刺激を避けることである。むけてきた皮を無理に剥がそうとすることは絶対に避けるべきである。未熟な皮膚が露出してしまい、そこから細菌感染を起こしたり、痛みを伴ったりする原因となるからだ。皮が自然に剥がれ落ちるのを待つことが、皮膚の再生にとって最も優しいアプローチである。次に、手洗いの方法を見直すことも有効である。殺菌力の強い石鹸や頻繁な手洗いは、ただでさえ低下している皮脂膜をさらに奪い取り、症状を悪化させる可能性がある。ぬるま湯で優しく洗うか、低刺激性の洗浄料を使用し、洗った後は水分を素早く拭き取り、すぐに保湿剤を塗布することが推奨される。保湿剤としては、ワセリンやセラミド配合のクリームなど、低刺激で保護力の高いものを選ぶと良い。尿素配合のクリームは、角質を柔軟にする効果があるが、炎症が残っている段階では刺激を感じることがあるため、皮膚の状態に合わせて選ぶ必要がある。家事などで水や洗剤に触れる機会が多い場合は、綿の手袋をした上からゴム手袋を着用し、直接的な刺激を遮断することが望ましい。これは皮膚の再生を促すための保護的措置である。また、栄養面からのサポートも忘れてはならない。皮膚の再生にはタンパク質やビタミン類が欠かせない。バランスの良い食事を心がけ、身体の内側から皮膚の修復を助けることが、回復を早めることにつながる。もし、手の皮むけに伴って激しい痒みや痛みが現れたり、赤く腫れてきたりする場合には、二次的な細菌感染や他の皮膚疾患の可能性があるため、放置せずに皮膚科専門医の診察を受けるべきである。自己判断で市販の湿疹薬を使用し続けると、かえって皮膚の状態を複雑にしてしまうこともある。医師に溶連菌感染の既往歴を伝え、適切な診断の下で治療を受けることが、最も安全で確実な回復への道である。皮膚の変化を過度に恐れる必要はないが、それを放置して無防備に扱うこともまた避けるべきである。身体が自ら治癒しようとする力を信じ、その邪魔をしないような丁寧な生活を送ることが、何よりも大切である。
溶連菌による手の皮むけへの正しい対処法とケア